第222章

天瀬姫代はふと前の出来事を思い返し、ようやく腑に落ちた。自分は島宮奈々未に騙されていたのだ。

あの時点で、島宮奈々未はすでに妊娠していると分かっていた。それなのに「生理不順で」などと、平然と口にしてみせた。

丹羽光世までが、その嘘に手を貸していた。

二人はあの頃から彼女を警戒し、最初から「身内」ではなく「外側の人間」として扱っていたのだ。

天瀬姫代はきつく拳を握りしめる。瞳の奥を、どす黒いものがすっと走った。

丹羽光世が入っている病室へ、気配を殺して近づく。中から洩れる笑い声が、妬みをさらに煽った。

目が見えない丹羽光世。天の寵児だった男が、たった一人の女のためにここまで落ちて、...

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